青年塾西クラス 東祖谷講座のご案内

上甲 晃/ 2013年08月24日/ 青年塾

東祖谷講座

東祖谷講座テーマ

【次代に伝えたい美しき日本の文化】

この東祖谷講座では、次代に残していきたい、日本の美しき残像(古民家)、また、東祖谷の人々の生活(食・住・自然・歴史)、米百俵の演劇を通じて、日本人が昔から大事にしている精神、志を学びます。
今の私たちは、日本の文化に対しての思いや、日々の生活の中でそれを感じることが少なくなっていると感じます。日本の文化をもう一度学び、考えることで今 後の人生、生活において生かすことができます。東祖谷の伝統的な生活様式や日本の山間地域に残る美しき景観、また、現地の食を通して、昔の日本人の感性に 限りなく触れ、日本人の日本文化に対する思いを考えていきます。そして、何か物事を新たに起こすにも、古きを知る必要があります。現代のように新しいもの ばかりに目をやるのではなく『温故知新』の精神で、この東祖谷講座に臨みます。
私たちは、日本の原風景、秘境、伝統的な暮らしを素晴らしいと感じます。しかし、現在の便利な生活を離れ、不便な暮らしを送りたいとは思わないはずです。 では、どのようにすれば失ってはならない美しき日本の文化を残していけるのかを考え、そして、それぞれ帰った後に何ができるのかを考える機会にします。

祖谷について

徳島県西部、吉野川支流の祖谷川と松尾川流域一帯の山間部地域を祖谷という。祖谷は、日本三大秘境の一つとされ、平 家の落人伝説を伝える。祖谷渓(いやけい)と呼ばれる深い峡谷に遮られ、標高1000メートル以上の峠を経由する山道を超えない限り外部との往来が困難で あったため、独自の生活習慣・習俗・口承文芸などが残された地域である。祖谷渓にかかる、シラクチカズラで編まれた吊り橋の蔓(かずら)橋は、国の重要有 形民俗文化財である。過疎化が進み、高齢化率が高く、将来の大幅人口減少が予測される。

自然環境・景観
-祖谷川に削られた非常に深い渓谷
-崖地にへばりつくように広がる集落
-寒暖差の大きい山地性、盆地性の気候
-年平均気温11.8℃(徳島市16.6℃)
-1月平均気温0.5℃(徳島市6.6℃)
≒仙台、秋田、冬は松江市に類似
人口変動
-H17の高齢化率44.3%(県内2位、1位上勝町48.5%)
-H20で限界集落は19(集落総数44)
農業
-現在はごうしいも、そば、お茶をはじめ、様々な野菜が自給自足的に作られている。
域外への流通はほとんどない。

篪庵(ちいおり)について

アレックス・カーが祖谷で見つけた1棟の茅葺き民家。1973年、全国をヒッチハイク中に偶然訪れた祖谷。まるで桃源郷のように穏やかで美しい山 村風景に魅せられたカーは、ここで家を手に入れたいと、祖谷中の空家を探して回った。そしてこの1棟の空き家を見つけ購入。神秘的な風景の中にひっそりと 残された、この古びた茅葺き屋根の古民家は「篪庵(ちいおり)」と名付けられた。篪(ち)=「横笛」 庵(いおり)=「草屋」日本の残像を残す。消え行く 間際の祖谷の美しさや、伝統的な生活様式を残す。そのために、カーはこの家に住み、篪庵を保存していくことから始めた。篪庵の購入以降カーのこの思いに共 感した数多くの若者が世界中から集まり、ボランティアとしてこの家に住み、地元の人たちの協力を得ながら管理、修復をしてきた。これに伴う活動は、次第に 篪庵だけにとどまらず、祖谷周辺の地域にも広がった。現在は、NPO法人「篪庵トラスト」により運営され、見学・宿泊、施設の維持など行っている。

  • 《講話》ふじやグループ社主 鍛谷 幸一(かじたに こういち)様
    『日本人の大切にしたい文化』
    日本人が大切にしなければならないことを、鍛谷様の今までの人生、考えに触れ学びたいです。
  • 《講話》篪庵(ちいおり)トラスト 村松 亨(むらまつ とおる)様
    『アレックス・カー氏の古民家を通じて伝えたかった思い、
    篪庵トラストさんの取り組み、祖谷古民家の特徴』

「国栄えて山河なし」
アレックス・カー氏は現在の日本をこう表現しています。
今の日本は、コンクリートとアルミサッシに覆われ、雄 大で険しく豊かな自然と共生する日本の伝統生活様式がすっかり忘れられています。険しい地形のため昔からの「逃げ場」であった歴史を持つ『祖谷』で見つけ た茅葺屋根の古民家。アレックス・カー氏の言葉で、「伝統を守るには、古いものの中に、新しいものを取り入れることが必要」とある。そこで、古民家を修理 し、後世に何を残し伝えていきたかったのかという志を学びたいです。
また、篪庵トラストの使命として、アレックスが願う美しき日本の残像にこそ新たな価値を与え、多くの人々と共有し、持続可能なものとして残すこととあります。この取り組みについても私たちが考えることがあります。

  • 《講話》都築 麗子様(つづき れいこ)様(古式そば打ち体験塾)
    『次代に伝えたい食文化』
    「食」 ○祖谷そば-太くて短い祖谷のそば ○そば米雑炊 ○ごうしいも-祖谷の主食
    ○いわ豆腐-焼くのが基本 ○番茶 ○こんにゃく
    また、そば打ち体験を通じて昔から伝承されてきた東祖谷の食の魅力を学びます。
    ※食事研修の一環として講座に組みます
  • 《講話》小西 文夫(こにし ふみお)様(集落支援員)
    『祖谷について』
    内容:祖谷で見てほしいところ、知ってほしいところ、感じてほしいところ。
  • 《講話》阿佐 路彦(あさ みちひこ)様(23代目平家落人)
    『後世に語り継いでいきたい平家伝説』
    内容:平国盛伝説と赤旗について、歴史的な確証はないが語り継がれ何を残していきたいか。

東祖谷講座スケジュール(案)

時刻 スケジュール 場所
9月28日(土曜日)
5:40~6:15 起床
6:10ホテルロビー集合
旅の宿 奥祖谷前
6:15~6:30 移動
6:30~7:30 掃除 旧校 栃之瀬小学校
7:30~7:45 移動
7:45~8:10 着替え 旅の宿 奥祖谷
8:10~8:45 食事 旅の宿 奥祖谷宴会場
8:45~9:30 受付・開講式準備
9:00集合(当日参加の方)
東祖谷歴史民族資料館(2F)
9:30~ 開講式
~10:50 小西 文夫様(講話)『祖谷についての総評』
11:00~12:00 鍛谷 幸一様(講話)『日本人が大切にしたい文化』
12:00~12:45 昼食
13:00~14:00 米百俵準備
13:30受付・開場
14:00~14:50 米百俵演劇
15:00~15:45 上甲塾長講話
15:45~16:30 片付け
16:30~17:00 阿佐 路彦様(平家落人23代目)講話『語り継いでいきたい平家伝説』 東祖谷歴史民族資料館(1F)
17:00~17:30 ホテルへ移動 旅の宿 奥祖谷
17:30~18:00 移動 篪庵(ちぃおりトラスト)
18:00~19:00 篪庵NPO法人村松 亨様(講話)『アレックス・カー氏の志』
19:00~19:40 夕食
都築麗子氏、特製祖谷弁当
19:40~21:30 塾長と語ろうの会(坂の上の雲輪読)
21:30~24:00 移動・入浴 旅の宿 奥祖谷
9月29日(日曜日)
5:30~6:00 起床、準備 旅の宿 奥祖谷
6:00~6:45 移動
6:45~7:00 男橋渡 奥祖谷二重かずら橋
7:00~7:20 朝礼
7:20~7:45 野猿渡体験
7:45~8:30 移動
8:30~8:40 休憩
8:40~9:15 朝食 旅の宿 奥祖谷
9:15~9:45 チェックアウト
9:45~10:00 移動
10:00~12:30 調理実習 都築 麗子氏宅(そば打ち塾)
12:30~12:50 都築 麗子様(講話)『次代に伝えたい食文化』
12:50~13:30 昼食
13:30~13:50 片付け・清掃
13:50~14:00 移動
14:00~15:00 たしなみ、育み課題発表 東祖谷民族資料館(2F)
15:00~16:00 閉講式
16:00~16:45 片付け後移動
16:50~ 解散 大歩危駅

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