純粋な心

上甲 晃/ 2004年10月20日/ デイリーメッセージ

「こんなにもサービスしていただいて、本当にありがとうございました」と、『青年塾』西クラスのリーダーが、挨拶した。みんなは大きく肯いた。それほど、鹿児島講座を受け入れていただいた鎌田建設の社長である鎌田善政さんの心遣いは、ありがたいものであった。宿泊先は、鎌田さんが経営する高級和風旅館、研修会場は鎌田建設の本社のビル。しかも、超多忙のはずの経営者が、早朝から夜遅くまでしっかりと私達にお付き合いいただいた。だから、塾生の代表が、「過分のサービスをしていただいてありがとうございます」と言いたくなる気持ちも分かる。

ところが鎌田さんは、肯かなかった。「これはサービスでしているのではありません。私は、上甲さんのしておられる『青年塾』運動に共鳴して、何かお役に立ちたい、その一心でお手伝いしているのです」と話された。私はその一言に、背筋がぴんと伸びる思いがした。と同時に、熱い血が全身を駆け巡るような興奮を覚えた。そして改めて、「わが思い、わが志に純粋であらねばならない」と心を引き締めたしだいである。

今回の西クラスの講座では、熊本県水俣市の湯の児台地で観光農園を営む福田興次さんにも例年同様、大変にお世話になった。バスの手配、研修会場の提供から、講師との折衝など、福田さんのお力添えがなければ、何もできなかったことであろう。その福田さんもまた、私との個人的な人間関係によって、協力していただいているのではない。私が進めている運動に賛同して、運動に力を貸していただいているのである。

自らの利益を省みず、ここまで献身的にお力を貸していただいていることに対して、私は、直接的なお返しなどできるはずはない。少なくとも私ができるお返しは、純粋な心をもって、志高く歩む以外にない。私は、すべてにわたって手抜きをしないことを、改めて心に誓った。私の運動に賛同して、何とか手伝ってあげたいと手を差し伸べていただいているすべての人たちのお心遣いに報いるためにも、さらに透明な意思をもち。使命に生きるつもりである。もしその気力と体力が衰え始めたら、『青年塾』は門を閉ざさなければならない。

私にとって、『青年塾』は使命以外の何者でもない。仮にも、『青年塾』が私の生活の糧になるようでは、献身的に応援していただいている人達に申し訳が立たない。社会的使命を標榜しながら、私欲を求め、私利に走ることは、許されない。鎌田建設の鎌田社長も、福田農場の福田社長も、私達の研修に、朝早くから夜遅くまでしっかりとお付き合いいただいた。その姿勢に改めて感謝したい。

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