青年塾第九期生
『青年塾』第九期生八十人を迎えた。今日は、入塾式である。
朝五時半起床、六時集合は、『青年塾』の伝統になりつつある。とにかく、『青年塾』の研修は、朝が早くて、夜が遅い。もし受身の姿勢で、いやいやしぶしぶ時をやり過ごしていたら、苦痛の極みだろう。よほど主体的な意思を持って研修に参加しないと、とても身がもたない。それにしても不思議なことは、主体的な意思を持つことによって、疲労感よりも達成感が上回ることだ。
今年は、関西クラス以外、過去最高に近いか、過去最高並みに塾生諸君が集まってくれた。北クラスは九人、東クラス、東海クラス、西クラスのいずれも、二十人を超えた。それに対して、関西クラスは昨年の二十七人が、今年は十人。激減した。理由を私なりに分析してみた。選挙風の分析をすると、関西クラスは組織票、すなわち企業から派遣される塾生の数が究めて少ないのに対して、他のクラスは組織票、すなわち企業から派遣される人が圧倒的に多いことだ。
それにしても、先輩塾生の働き振りには、塾長である私も、本当に感心させられる。今年は、三月に出発した第八期生は、北海道から九州まで、応援に駆けつけてくれた。すべて自腹を切ってのことだから、「今時の若い人は」などと批判的なことなどとても言えたものではない。
中でも特筆すべきは、運営を担当してくれた東海クラス八期生の献身的な働きである。既に出発式を終えているのだから、熱が冷めても責められないところだ。ところが、全員が、何ヶ月も、この日のために万全の準備をしてくれた。準備がいかに完璧であったかは、本番の様子を見ればすぐに分かる。行き届いていることこの上なし。『青年塾』の基本精神である゛そこまでやるか゛の心が、端々にまで行き渡っていた。
痒いところに手の届く段取り、水が流れるように円滑な運営。いつも私が口癖のように塾生諸君に求めつづけてきたことだ。それが見事に、目の前で繰り広げられた。『いつもみんな静かに笑っている』。宮沢賢治の詩そのままの雰囲気が、運営している人達全員に染み渡っている。よほど入念な準備が出来ていないと、ここまでの境地になれるものではない。
先輩が静かに、落ち着いて、大きな声で絶叫することなど一度もなく、しかも後輩のためにと力を尽くす姿勢は、おのずと後輩諸君の心を打ち解けさせ、やわらかくしていった。運営責任者の三浦正志君は、「言葉ではなく、態度で後輩の心をほぐして上げたかった」と言う。我田引水ながら、『青年塾』の最近の雰囲気は、私にとっては最高レベルだ。