初めての「松山講座」を開催

上甲 晃/ 2005年01月31日/ デイリーメッセージ

松山市民にも見てもらった演劇

『坂の上の雲』をテーマに百人が学ぶ

『青年塾』としては、初めての松山講座である。テーマは、司馬遼太郎著「坂の上の雲」。今から百年前、日露戦争を中心のテーマとして、その時代に生きた日本人を学ぶこと。とりわけ、愛媛県松山市に生まれ育った正岡子規、そして日露戦争で活躍した秋山兄弟が中心の登場者である。松山講座では、正岡子規、秋山好古、秋山真之を中心にして、明治という時代について学んだ。
初日は、「坂の上の雲」を中心にして町作りをしている松山市の取り組みや各クラスの近況報告、そして二日目は、各クラス対抗のディベート大会、分科会に分かれた松山市内見学、そして衆議院議員の小野晋也氏と松山市長中村時広氏の講話、さらには各クラスの熱演が続いた演劇である。およそ百人近い参加者のほとんどは、松山に来るのが初めてである。しかし、私から見たら、少なくとも松山の歴史に対する事前勉強をこれだけ入念に行ってきた人はいないのではないかと思う。それほど、この講座に参加した人たちの学びは、中身の濃いものであった。
 
高かった明治の人達の志

そもそも、この松山講座を企画した思いは、司馬遼太郎著「坂の上の雲」に尽きる。かつて、月刊雑誌の文芸春秋に、近代文学の最高峰として、「坂の上の雲」が第一位に取り上げられていた。ちなみに、第二位は、夏目漱石の「坊ちゃん」であった。さらに、その「坂の上の雲」について、「今から百年前の、その当時に生きていた日本人が、近代日本においては、一番志が高かった」との一文に接して、私の心は大きく共鳴した。『志』を学ぶことを目的とする『青年塾』としては、最高の学びの場であると判断して、開催を決意した次第である。
そんな思いを持つと、出会うべき人に出会うものだ。志ネットワークの会員である松山市会議員・横山博幸さんが、私を講演会に招いてくれた。その講演会は、新しい政治の流れを作り出していこうとする「新風会」と称する新しい会派の旗揚げの会合。講演会が終わった後、十三人の市会議員さん達と会食した時に、「いつか松山で青年塾を」と誓い合った。思いを持てば、出会うべき人には出会うものだ。
松山講座の圧巻は、各クラス対抗の演劇。「坂の上の雲」を題材にして、各クラスが自ら脚色したシナリオを演じるのである。若い人達の演出力と演技力には圧倒される。この演劇を、松山の人達にも是非も見てほしい思った。そこで発表会の場所を松山市駅前にある高島屋デパートのホールにした。中村・松山市長にも見てもらった。「松山でも、ここまで坂の上の雲を読み込んでいる人はめったにいない」との声が聞こえた。

この記事をシェアする