人格変容の二方法

上甲 晃/ 2005年01月19日/ デイリーメッセージ

京都大学の副学長である東山絃久氏とは、中学校、高等学校、大学とまったく同じである。特に大学は、学部まで同じであった。とは言え、それほど深くお付き合いしたことは無いが、同じ道を歩んできた親近感はある。もう十年以上も前、あるシンポジュームで、東山氏が司会をし、私がパネラーとして同じ舞台に立ったことがある。それからはすっかりご無沙汰している。古巣の京都大学に戻り、学部長を経て、副学長になったことは、同窓会の新聞を通じて知っていた。

年末に届けられた同窓会報に、東山氏の特別講演の抄録が掲載されていた。東山氏は、臨床心理学を専攻している。さらに、現在、文化庁の長官をしている河合隼雄さんの弟子でもある。その両方の興味から、東山氏の講演録を読んだ。

その中で、私が日ごろ考えていることと同じことが紹介されていて、面白かった。それは゛自己変容゛についてである。自己変容は、心理学の用語。社会学を専攻した私は、゛自己変革゛という言葉を使っている。

「人間関係を築いていく上で一番大事なことは、人格を鍛えることです。人格を鍛えることは、ものすごく難しいことです。本当に難しい」と前置きして、二つの方法を教えてくれる。

「一つは、続けること。あなたが今興味をもったことを続けることです。嫌なことが見つかるまで、やっぱり続けることなのです。続ける時には、やっぱり止めたくなる時もある。しょうもないと思うこともある。今しょうもないと思ったことを、なぜ前はすばらしいと思ったのか。あるいは前すばらしかったことが、なぜしょうもないことになったのか。私の何が変わったのか。私は、あの時なぜこのことをすばらしいと思ったのか、その原点だけはあまり変わっていない。その原点を自分なりに見つめていくことができると、新しい観点で続けていくことができる」。

「もう一つは、自分にとっては嫌なことだけれども、誰かがそれをしなければならないのであれば、頼まれた時に断らない。嫌なことではあるが、しなければならないことには、必然的な本質がそこに隠されている。その本質に迫ることができたら、嫌なことが嫌でなくなる。それどころか、喜びに変わる。また、あなたが引き受けることによって、その組織の目標や課題なりが、一歩前進する。頼まれたことは、本質に迫るまでやり遂げる」。

私は、臨床心理学者の指摘する二つの道を確認して、大いに自信をもった。『青年塾』は、凡事徹底、そして゛一歩前へ゛が合言葉。言葉は違えども、東山氏の指摘とまったく同じである。

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