国家意識を持つ人

上甲 晃/ 2002年12月11日/ デイリーメッセージ

「国家意識をもった人材を育てたいのだが、手伝っていただけないでしょうか」。そんな珍しい声掛けをしてくれたのは、歯科の全国チェーン展開をしている徳真会の松村博史理事長である。私も、人を育てることについて、色々な相談や協力の要請をもちかけられることが多い。その大半は、「社員の戦力化」であったり、「新しい時代にふさわしい人づくり」などといった内容のものである。「国家意識をもったスタッフづくりを手助けして欲しい」などと依頼されたのは、これが初めてである。一瞬、戸惑いもし、興味ももった。

松村さんの思いはこうだ。「これからはグローバル化時代、まず日本人としての常識を備え、さらには国に対して誇りをもてないような人を世界に派遣することはできない。私どものスタッフには、世界で活躍して欲しいと願っているし、その布石もしている。世界で活躍できる人になるためには、まず日本人としての自覚と誇りをもつことである」。

保守反動的な意味での国家意識ではない。日本の歴史や文化などをしっかりと知り、日本人としての伝統的な精神を内面化し、日本という国に対して、正しい意味での誇りをもつこと、それが国家意識をもった人である。国家意識が欠如すると、人間は゛精神的な根無し草゛になってしまう。゛精神的根無し草゛は、世界の舞台では馬鹿にされるどころか、相手にもされない。

確かに、今の日本人に、国家意識が著しく欠如していることは事実であろう。そして、国家意識が欠如しているために、世界の国々からいつも一段低く見られている原因になっているような気がしてならない。中国に巨額のお金を提供しているのに、「ありがとう」の一声も聞こえてこない。北朝鮮にも、足元を見られているような外交に終始している。アメリカも、「日本は同盟国だ」と口では言いながら、心から日本を信頼し、尊敬しているようには思えない。国民に、日本人としての自覚や誇りがなければ、人は尊敬するはずない。

松村さんは、今、歯科の業界ではどちらかと言うと、日陰のような存在であった歯科技工士を表舞台に引き上げようと懸命の努力をしている。アメリカのロスアンジェルスにラボをつくったり、中国の上海に拠点を展開したりしているのは、すべて歯科技工士の仕事を輝かしい日の当たる仕事に仕立て上げるための戦略でもある。いつか銀座の表通りに、歯科技工のラボを開きたいと、松村さんの夢は膨らむ。国家意識をもつ歯科技工士が育てるなどといった志に感服した。

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